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「猫って父猫が複数の子猫を同時に妊娠・出産できるの？
「猫ってどうしてどんどん妊娠・出産できるの？」

といった猫が妊娠する仕組みについて
獣医師が解説します。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

猫が妊娠する仕組みについてよく相談される内容

私は動物病院で猫の診察をしていますが、
こんな相談を飼い主さんから受けることがあります。

よくある飼い主さんからの相談ここから

前々から疑問に感じていたことが
あるんですけど・・・

知り合いから
「猫って複数の雄猫の子を
同時（一回）に生むことがあるんだって！」
と聞いたことがあるんです。

野良猫だと
親猫に似ても似つかない柄の子猫が
生まれるのをよく見るんですけど、
どうなんですかね？

友達の家に三毛の母猫から
子猫が生まれたのですが・・・

友達の家の雄猫は茶トラなんです。
なので三毛、茶トラ以外の雌は
生まれないはず。

なのにキジの雌猫が生まれたんです。
「父猫が違うんじゃない！？
でも、おそらく父猫であろう猫に
似ている雄猫も生まれているから
父猫が1匹だけでなく複数いるんじゃないか！？
とびっくりしたんです。

やっぱり父猫が違う子猫が
生まれる可能性ってあるのでしょうか？

たとえば、すでに他の雄猫の子を
妊娠しているのに、
新たな雄猫の子を妊娠することは
可能のでしょうか？

猫の妊娠の仕組みについて知りたいです。

＝＝＝飼い主さんからのよくある相談ここまで＝＝＝

ここから獣医師である私がねこが妊娠する仕組みについて
解説したいと思います。

猫が妊娠する仕組み

まず前提として知っておいていただきたいことがあります。
猫ちゃんは交尾排卵動物なんです。

交尾排卵動物とは
交尾をすると卵巣から『卵（らん）』が
排卵される動物のことをいいます。

なので猫ちゃんは交尾すると
排卵されます。
より確実な妊娠が可能になっているんです。

人間や犬みたいに定期的に排卵があるわけじゃないんです。
この辺が猫の特徴的な仕組みだと思います。

なので猫ちゃんの場合、
短い期間内にいろんな雄と交尾すると、
排卵された『卵』で受精するのって
必ずしも最初の雄の精子とは限りません。

お腹にいる赤ちゃんのお父さん猫が
違うということは現実に起こりうることなんですね。

ただし、問題なく受精して、
子宮に受精卵が着床し妊娠すると、
雌猫の発情は止まってしまいます。

発情がストップすると
雌猫は雄の受け入れを拒否します。

逆に雄猫も発情の止まった雌猫に
無関心になります。

交尾をしなくなるわけなので
排卵が起こりませんから、
卵巣にある新たな『卵（らん）』の発育も
止まってしまうんですね。

ですから、確実に妊娠している雌猫ちゃんと
交尾をすることは考えにくいです。
しかも妊娠した後に新たに妊娠することもありません。

逆に受精はしたけど妊娠が成立する前なら
交尾は可能です。

猫の妊娠の仕組み｜出産後の注意点

こんな感じで猫ちゃんは妊娠し出産するのですが、
出産が終わるとすぐに、
交尾・妊娠が可能になります。

人間や犬みたいな生理は猫ちゃんにはないので
ちょっと妊娠の仕組みが違うんですね。
⇒犬が生理に！どんな症状がでるの？
⇒犬の生理痛はどんな症状がでるの？

話を元に戻します。

雌猫は個体差はあるものの
生後約6ヶ月くらいになると妊娠・出産が可能です。

猫が妊娠すると約2ヶ月で出産します。
人間よりも圧倒的に妊娠期間が短いです。

1回の妊娠・出産で平均すると
約5匹前後の子猫を産みます。

で、先ほども申しましたが
すぐに妊娠が可能になります。

ネズミ算というのがありますが、
ネコ算があってもよいくらい
猫もどんどん子孫が増えていくんです。

なので、これ以上子猫を増やす気が無いようでしたら
出産し、離乳したら避妊手術を検討してみてくださいね。

ちなみに子猫への授乳期間は約1ヶ月程度です。