私が運営している動物病院では18歳くらいの老犬のシャンプーもやっています。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ
そこで今回は私の経験を踏まえて
老犬(高齢犬)トリミングやシャンプーで気をつけた方がよいことについて
解説したいと思います。
・ネクスガードスペクトラ(超小型犬用)
・ネクスガードスペクトラ(小型犬用)
・ネクスガードスペクトラ(中型犬用)
・ネクスガードスペクトラ(大型犬用)
・ネクスガードスペクトラ(超大型犬用)
老犬に対するシャンプーの仕方・やり方で気をつけること
健康状態が良好な老犬にシャンプーするときの注意点
まず老犬ではあるものの
健康状態が良好な場合のシャンプーの注意点から解説しますね。
持病のあるなしにかかわらず老犬のシャンプーやカットは
なるべく短い時間で終わらせるというのがポイントになってきます。
ワンちゃんはシャンプーカット中はずっと立ちっぱなし。
だから長時間になればなるほど疲れてしまいます。
心臓が悪いワンちゃんだと、シャンプーカット中は緊張状態が続くので
時間がかかればかかるほど、命の危険度が増すことになります。
あとはお湯の温度も重要ですね。
お湯の温度は高すぎたり低すぎたりしないようにして
体温変動をなるべく起こさせないことも大事ですね。
それからシャンプーの後、ドライヤーで体を乾かすわけですが、
できる限りドライヤーの風の温度を高くしないようにしましょう。
どうしてお湯の温度やドライヤーの温度が
高すぎたり低すぎたりしてはいけないのでしょう?
人間にも犬にも恒常性(ホメオスタシス)という機能があります。
人は簡単には変われない。変わりたいと思っていてもその一歩を踏み出す勇気すらない。人にはホメオスタシス【恒常性】という機能があり、同じ環境でいることが安心なんですよね😌でも私はずっと同じ場所には居続けたくない
— しろくま🐻❄️看護学生 (@shirokuma_nurse) February 14, 2023
ちょっと冷たいとかちょっと温かい程度なら
人間も犬も恒常性によって一定の体温のままでいられます。
でも、あまりに暑いとかあまりに寒いという環境だと
体温を一定に保つために体が必要以上に頑張るのです。
具体的には自律神経という神経が頑張ります。
自律神経はものすごい量のエネルギーを使うのです。
だから体が疲れてしまいます。
老犬は体力が若い犬よりも落ちています。
だから熱すぎるとか冷たすぎるお湯であったり風を老犬が受けると
体力を激しく消耗するため、命の危険も生じる可能性があります。
そういった意味でも、熱すぎる、あるいは冷たすぎるお湯や風を使って
老犬のシャンプーをするのはやめましょう。
少し暖かい程度のお湯や風を使ってシャンプーをしましょう。
次に体調に気をつかいながらシャンプーをするようにお願いします。
呼吸が苦しくなっていないか?とか興奮させたりしないように優しく慎重にしましょう。
いつもシャンプーをしている人が気をつけていることをさらにもう少し
慎重にするということが大事です。
ここまでまとめると
自宅で老犬のシャンプーをするときの注意点としては
・あまり熱いお湯や冷たいお水で洗わない
・あまり熱い、あるいは冷たい風で乾かさない
・そして短時間で終わらせること
短時間でシャンプーを終わらせるためのポイントがあります。
たとえば、乾かすときに
タオルで一度、ワンちゃんの全身をよく拭くと思います。
このとき普通のバスタオルではなくて
水をよく吸収する水泳選手がよく使うタオルを使いましょう。
PVAスポンジタオルといいます。
そういう水をよく吸収するPVAスポンジタオルで拭いてあげてから
ドライヤーで乾かしてあげると時間短縮につながります。
自分が温泉に行く時は必ずこのタオルを持っていく
文字を見てもらったら分かるけど車用で、何でってなるだろうが、水分の拭き取り以外にも洗剤の使用も可能だから、水泳選手が使っているPVAスポンジタオルからヒントを得た
防腐剤が入っているから、自己責任でアレルギーだけには注意 pic.twitter.com/YMJiJ8HHrv— たばあ やあた (@tabayata16843) September 10, 2019
あとはシャンプー剤を薄めずに原液に近い状態で使うのはやめましょう。
水洗いしてもなかなかシャンプーが落ちません。
より長い時間お湯をかけることになります。
まず洗面器にシャンプーとお湯を入れて
最小限の濃さにしてから泡立てましょう。
そしてその泡を老犬につけて洗うようにしましょう。
その方がより簡単に洗い流すことができ負担が少なくなります。
もちろん洗浄力はシャンプーの種類によって違います。
だから2回洗うとか工夫が必要です。
1回目は体表についた油や汚れを落とし
2回目でしっかりと皮膚へのケアをするみたいな感じです。
そんな感じでできる限り保湿をして乾かしに入るなどして
シャンプーをする時間をできる限り短くしてあげるという工夫が重要です。
以上は老犬ではあるものの
健康状態が良好な場合のシャンプーの注意点でした。
心臓病など健康状態の悪い老犬にシャンプーするときの注意点
ただ年をとると人間でもそうですが
僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病を患っているケースが多いです。
こういった心臓病の子の治療は
当ブログでもご紹介しているこちらのお薬がよく使われますね。
当院ではこちらのお薬を使っています。
⇒犬の心臓病でよく使われるお薬比較
心臓病のワンちゃんに対するシャンプーは
先ほど解説したやり方で基本的にOKです。
ですが、心臓病の子の場合は
息を切らしてしまったり疲れてしまいやすいです。
結果、座ってしまったりすることがあります。
なので楽な態勢でできる範囲でシャンプーを終わらせることが重要です。
めちゃくちゃきれいに見た目重視で時間かけて
トリミングをすることはすごく難しくなります。
だから毛玉ができているようなら
最低限毛玉をとるとか
見た目はまぁまぁきれいくらいのクオリティに抑えておいた方がよいでしょう。
あまり無理しないことが重要です。
自宅で対処するのが難しい場合には
トリミング併設の動物病院でやってもらうのも一つの手段です。
以上で解説を終わります。