愛犬が高脂血症と診断されたら治療と薬【獣医師監修】

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愛犬が高脂血症と診断されたらどんな治療をしたり、
どんなお薬を使うことになるのでしょうか?
実際に動物病院で診療をしている獣医師がわかりやすく解説します。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

犬の高脂血症の診断方法

高脂血症の犬

まず高脂血症かどうか診断する方法としては
できれば15時間以上、最低でも12時間以上お腹を空かせた状態(空腹時)で
血液検査をして、血液中のトリグリセリドとコレステロールを測定します。

それで高ければ高脂血症がありそうだと診断します。

あと、高脂血症だと診断したら
以下の記事でも解説しているような内分泌系の病気(ホルモン系の病気)や
基礎疾患などがあるようなら二次性の高脂血症だと診断し、
ないようなら原発性の高脂血症だと診断します。

犬の高脂血症の症状【獣医師解説】
犬が高脂血症を起こす原因を獣医師がわかりやすく解説

犬の高脂血症の治療方法・治療薬

犬の高脂血症とは

ワンちゃんが高脂血症だと診断されたとしても
薬に頼らない方がいいのはいいので、
低脂肪食やマイルドなオメガ3脂肪酸から始めていきます。

オメガ3脂肪酸というのは、
高脂血症の原因になる血液中のLDLを増やさないし、
トリグリセリドを下げる
といわれています。

私はオメガ3脂肪酸は高脂血症の場合、体重1㎏あたり1日に約84㎎程度与えるように
飼い主さんにはお伝えしています。
(あくまでサプリメントです。ワンちゃんの体調や
サプリメントに書いてある量を与えるようにお願いします)

おすすめはこちらです。
[グリズリー]サーモンオイルオメガ3脂肪酸(犬用)

私個人の体験になりますが、ワンちゃんに低脂肪食を8週間続けさせただけで
トリグリセリドの値が約400㎎/dLあったのが200前後にまで
下がったというデータもあります。

おすすめのフードはこちらです。
ロイヤルカナン 犬用 消化器サポート 低脂肪 ドライ(1kg)【ロイヤルカナン療法食】

こういったサプリメントや食事を利用して効率よく現実的な形で
ワンちゃんに負担をかけずに与えれるようなものを選択していくのが
よいと思います。

これらのオメガ3脂肪酸サプリメントや低脂肪の食事でもうまくいかないようなら
お薬を使っていくことになります。

フィブラート製剤があって具体的にはベザフィブラートとか
クリオフィブラートなどがあります。
これらはどんなお薬か?というと、PPAR-α作動薬に属していて、
脂肪酸の合成を抑制したり、リポプロテインリパーゼの血中からの取り込みを増やしたり
トリグリセリドの産生を減らします。

フィブラート製剤はいろいろあって、
1つのフィブラート製剤で高脂血症が改善しなくても
もう1つのフィブラート製剤で改善することもあります。

ただ、第1選択薬はベザフィブラートになります。
体重12㎏以下のワンちゃんで1頭当たり1日1回50㎎が投与量です。
これを1か月続けるとトリグリセリド値が9割のワンちゃんで改善したというデータもあります。

ちなみにベザフィブラートの副作用は肝障害や筋肉の融解があると言われています。
ただ、ベザフィブラートは人間用のお薬です。
もし使用する場合には自己責任になりますのでご注意ください。
またベザフィブラートは動物病院でもおいていないところの方が多いと思います。

他に、スタチン製剤を使うこともあります。

スタチン製剤はLDLを下げるために人間の世界では使われています。
でも、以前の記事で解説したように犬では高LDL血症で問題になることは少ないので
ほとんど使われていません。
犬の高脂血症の症状【獣医師解説】
犬が高脂血症を起こす原因を獣医師がわかりやすく解説

他にも高脂血症の治療でナイアシンを使うこともあります。
ナイアシン(ビタミンB3) 500mg 100粒 SOLARAY(ソラレー)

ナイアシンは作用機序が不明ですが、
コレステロールやトリグリセリドを下げると言われています。
が、あまりデータがないのでほとんど使われていません。

犬の高脂血症の治療まとめ

一般的にはワンちゃんが高脂血症(基本的にトリグリセリドが500mg/dL以上を指します)だと診断されたら
まずは低脂肪食やオメガ3脂肪酸を使ってみます。
[グリズリー]サーモンオイルオメガ3脂肪酸(犬用)
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また、膵炎などの命に関わるような病気で高脂血症を起こしていて
サプリメントや処方食でうまくいかないようなら
ベザフィブラートを使うことが多いです。

ちなみにワンちゃんの高脂血症の場合、
トリグリセリドを500㎎以下に下げることが目標になります。

最後に高脂血症だと診断された場合には
必ず動物病院に行って治療を受けるようにしてくださいね。
あくまでこの記事は高脂血症だとこんな治療をしますよと
私の経験や論文データを通して言っているだけですからね。

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