ケンネルコフで抗生剤はどうか?獣医師が解説

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ケンネルコフ 抗生剤

「ケンネルコフで抗生剤を処方されたんですけど、
意味あるの?」と心配な方に向けて記事を書いています。

私は日々、犬の診察をしている獣医師です。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

今回はケンネルコフで抗生剤を処方された飼い主さんから
メール相談を受けましたので
参考にしていただけたらと思います。

ケンネルコフで抗生剤を処方された飼い主さんからのメール内容

ケンネルコフ 抗生剤

生後7か月のマルチーズ雄の飼い主です。

去勢手術をした直後から
ひどい咳をするようになりました。

「コンコン、ゲホっ、ガーっ」と
1日何回も吐くような感じの咳をします。

動物病院に連れて行ったところ
「ケンネルコフですね」と言われました。

ケンネルコフはうつる病気だと聞きました。
ケンネルコフとは?開業獣医師が解説

ですが他の犬と接触したことは
ほとんどありませんし
近所でケンネルコフの症状が出ている犬もいません。

動物病院にも
今回初めて行っただけなので
そこで感染してないと思います。

ケンネルコフ 抗生剤

ところで処方では、
アモキクリアという抗生剤が出されました。

ケンネルコフで抗生剤って
どうなのでしょうか?

飼い主様からのご相談内容ここまで。

ケンネルコフに抗生剤を使う理由

アモキクリア

ケンネルコフは基本的に
ワンちゃんがウイルスに感染して起こります。
人間の風邪みたいなものです。

ケンネルコフの場合、
ものすごく犬に感染する力がが強いですし、
しかも空気感染します。

空気感染というのは、
たとえば、自宅から離れている場所で
ケンネルコフにかかっているワンちゃんが
「ゴホンゴホン」と咳をしたとしましょう。

その咳に含まれているウイルスが
空気にのって、自宅にいるワンちゃんの
鼻や口から侵入することがあるってことです。

なので、あなたが飼っている愛犬が
散歩することがなくても
ケンネルコフにかかることがあります。

それから本題に入りますが
ケンネルコフは通常ウイルスに感染して
起こります。

今のところウイルスを直接やっつけるような
特効薬はありません。

また抗生剤というのは
ばい菌をやっつけるお薬です。
つまり抗生剤でウイルスをやっつけることはできません。

ではなぜ獣医師は
ケンネルコフの治療として
抗生剤を処方することがあるのでしょう?

ケンネルコフを犬が起こすと
咳をしたり鼻水鼻血が出ることがあります。

咳をすると喉に炎症を起こしますし
鼻血が出ると鼻の粘膜が切れて炎症を起こすことがあるんです。

炎症を起こした場所の粘膜(鼻や喉)は
健康なときより弱っています。

ばい菌に感染しやすいんです。
ケンネルコフはウイルスで起こるので
特効薬はありません。

でも、鼻や喉の粘膜が咳や鼻血で弱り
ばい菌に感染しやすくなるので
抗生剤を処方することがある
んですね。

これを『二次感染を防ぐ』っていいます。
1次的にはウイルスで起きたケンネルコフであっても
粘膜が痛めつけらればい菌に感染するという二次的な被害を
抗生剤で防ぐってことですね。

ケンネルコフの場合、
抗生剤で治療する以外に
気をつけることがあるとすると・・・

いかに愛犬に体力をつけさせるか?
ですね。

体力がつくと愛犬が自力でウイルスをやっつける
パワーが強くなります。

愛犬に体力をつけさせるために

・お部屋を暖かくして
・愛犬がイライラするようなストレスを避ける
・保湿をする(湿度が40%以下になると粘膜が
乾燥気味になりウイルスの増殖が活発になります)

以上で解説を終わります。

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