前回の記事では猫の尿石症(尿路結石)の原因を5つご紹介しました。
⇒猫の尿石症5つの原因を獣医師が解説
今回の記事では猫ちゃんに尿路結石ができたのではないか?
と獣医師が感じた時に、どんな検査をして診断をするのか、
解説したいと思います。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ
ちなみ尿路結石(にょうろけっせき)とは腎臓でできたオシッコが、体の外に出るまでに通る
腎盂、尿管、膀胱、尿道などにストラバイトとかシュウ酸カルシウムなどの石ができることをいいます。
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猫の尿路結石の検査方法
猫ちゃんの尿路結石の診断方法ですが、
・尿検査
・画像検査
・結石の分析
をして行います。
猫の尿路結石の検査方法:尿検査
尿検査としては、ばい菌に感染していないか、
顕微鏡で見える程度の肉眼では見えないくらい小さい結晶成分(ストラバイトとかシュウ酸カルシウムなど)が
できていないか見ます。
他にもアルカリ性ならストラバイト、酸性ならシュウ酸カルシウムの可能性があるのでpHを見たり
尿比重を調べたり、たんぱく質が出てないか、潜血が出てないか?
こういった試験紙を使って検査します。
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ちなみにですがたまに「尿検査なんて、簡単ですぐできるから、
たいした情報が得られないんじゃないの?」
と冷めた目で見てくる飼い主さんがいます。
でもそんなことはありません。
尿検査は尿路の病気の診断だけでなく
他にも肝臓病、ホルモンの病気、血液の病気などの診断にも使えます。
それくらい尿検査でいろんな病気の診断に使えるわけですね。
たとえば肝臓病だと黄疸ができて、白目が黄色になったりしますが
オシッコにも黄疸の成分であるビリルビンが出てくるので
尿検査でわかることもあります。
ホルモンの病気の中でもクッシング症候群だと
多飲多尿の症状が出ますが、
多飲多尿になったら尿比重が下がってくるので、
尿検査で異常を見つけることができます。
⇒犬の多飲多尿の原因を獣医師がわかりやすく解説
⇒犬猫で尿比重が高い時、低い時に考えられること【獣医師監修】
他にもホルモンが関係する病気に糖尿病がありますが
糖尿病だとオシッコに糖が出ますから、尿検査で異常を発見することができます。
糖尿病が悪化するとケトアシドーシスという命に関わる状態になることがありますが、
ケトアシドーシスになるとオシッコにケトンが出るので、尿検査で異常を発見することができます。
血液の病気だと溶血(赤血球が壊れていること)があったりして
尿検査で異常を見つけることができます。
ただ、尿検査はやり方によって結果に悪影響が出ることもあるんです。
たとえば猫ちゃんがオシッコをして、外に出てからしばらかうたったものだと
尿検査をした場合、正常でもばい菌が増えていることがあります。
あと尿は濃縮度合いが同じ猫ちゃんでも時間によって違ってきます。
たとえば、朝一番のオシッコと夜のオシッコを比較してみると・・・
同じ健康な猫ちゃんでも濃縮度合い(尿比重)が違ったりします。
ですから朝一番のオシッコで尿検査をしたのなら、
次の尿検査も朝一番のオシッコで検査しましょう。
でないと誤診につながることがあります。
猫の尿路結石の検査方法:画像検査
画像検査では腎臓から尿道までの間に結石ができていないか調べます。
画像検査には
・レントゲン検査
・エコー検査
・CT検査
があります。
ただ猫ちゃんにできた尿管結石はレントゲン検査ではものすごく見えづらいです。
見落としの原因になります。
たとえば3㎜の結石が猫ちゃんの尿管にできているとしましょう。
3㎜もあれば猫ちゃんの尿管に詰まる可能性があるのですが・・・
レントゲン検査では尿管にできた3㎜の結石は発見できない可能性があります。
猫ちゃんは苦しい思いをしているのに診断ができないわけです。
でも、エコー検査なら猫ちゃんの尿管結石を発見できる可能性が高いです。
特にエコー検査は腎結石、尿管結石、膀胱結石を見つけやすいです。
ちなみにエコー検査は人間だと妊婦さんなんかでよく使いますね。
こういうやつです。
レントゲン検査よりもエコー検査の方が猫ちゃんの結石を見つけやすいこともあって、
最近ではエコー検査で猫ちゃんの尿路結石を診断する動物病院が増えています。
ただ、画像検査で一番診断しやすい検査はエコー検査ではなくCT検査です。
CT検査はこういうやつです。
CT検査をするとどこの部分に石があるか、はっきりと診断することができます。
ここ重要なのですがエコー検査は空気と水なら水を見るのは得意ですが
空気を見るのは不得意です。
たとえば空気の多い肺を見るのは不得意ですがオシッコという水分のたまっている膀胱を見るのは得意です。
ですから、腸にガス(いわゆるオナラ)がたまっていたら、
ガスに邪魔されて近くにある尿路に存在する石を見落とす可能性があります。
でもCT検査ならレントゲンよりも細かい石を見分けられるし、
ガスが邪魔でエコー検査では見えなかった石も見つけることができます。
私が獣医になった20年ほど前よりも令和2年現在、
相当CT検査の精度が上がっています。
しかも20年前は猫ちゃんに麻酔をかけないとCT検査ができませんでした。
でも現在は性能が上がってきたため麻酔をかけずにCT検査ができる場合も出てきました。
そんなこともあってレントゲン検査では見えなかった尿管結石の診断のため
CT検査を行う例が増えてきた印象があります。
猫の尿路結石の検査方法:結石の分析
手術で結石を摘出したり、オシッコから結石を発見した場合、
結晶核を同定したりします。
結晶核とはストラバイトなどの結晶ができるときに
その結晶の核となる小さな物質のことです。
結晶核についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒猫の尿石症5つの原因を獣医師が解説
治療してもなかなか治らない尿路結石の場合、
核という結石の内部はシュウ酸カルシウムで外側はストラバイトってことも
同定検査で診断できたりします。
この場合はシュウ酸カルシウムに焦点を当てた治療をすることが多いです。
シュウ酸カルシウムは尿が酸性でできるけど、ストラバイトはアルカリ性でできますから、
治療の考え方が全く違います。
なので同定検査によって自信を持って治療に当たることができるわけですね。
以上で解説を終わります。
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