まず、犬も人間と同じように、十分な睡眠がとても大事です。
犬は1日の半分を寝て過ごしますが、もし睡眠が足りなくなると、
体や気持ちに悪い影響が出てしまいます。
特に、睡眠不足が続くと、犬が下痢をしてしまうことがあります。
どうして睡眠不足が下痢につながるのでしょうか?それは、
「自律神経」が関係しています。
自律神経は、わたしたちの生命活動を維持するために、
体のいろいろな動きをコントロールしている大切な神経です。
たとえば、食べ物が胃で消化された後、
腸に送られて便になるまでの間、
この自律神経が腸の「ぜん動運動」をコントロールして、
便が肛門まで運ばれるのを助けています。
でも、睡眠不足やストレスがたまると、
自律神経のバランスが乱れてしまいます。
特に、脳の「視床下部」が疲れると、自律神経がうまく働かなくなり、
腸の動きもおかしくなってしまいます。
視床下部は、自律神経の中枢であり、
体のさまざまな部分に指令を出している場所です。
この視床下部は、「大脳辺縁系」と呼ばれる部分と
情報をやりとりしています。
大脳辺縁系は感情を司る部分で、
怒りや悲しみといった感情が強くなると、
その情報が視床下部に伝わり、自律神経に影響を及ぼします。
たとえば、ストレスがたまると、
感情が乱れ、その情報が視床下部に伝わり、
自律神経が乱れてしまいます。視床下部がうまく働かなくなると、
腸の動きもおかしくなり、ぜん動運動が活発になりすぎて、
便に含まれる水分が多くなり、下痢になってしまうのです。
ちなみに、下痢のときにお腹が痛くなるのは、
腸が拡張したり、けいれんを起こしたりするからです。
自律神経は、睡眠中にバランスを整える修復が行われます。
したがって、寝不足が続くと、自律神経の乱れがさらに悪化し、
睡眠の質も低下してしまいます。
すると、また寝不足になり、
下痢が治らないという悪循環に陥ってしまいます。
また、睡眠不足が続くと、犬もイライラしたり、
体調が悪くなったりします。
そうなると、飼い主さんの言うことを聞かなくなることもあります。
だから、犬がしっかりと眠れるようにすることがとても大切です。
ただし、下痢や嘔吐は他の病気でも見られることがあります。
もし犬が何度も下痢をしたり、吐いたりするようなら、
睡眠不足だけが原因ではないかもしれません。
その場合は、自己判断をせずに、
必ず動物病院で相談してくださいね。
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