「やめられないとまらない」
と言えば、かっぱエビせんですね。
実際、この記事を書いている私もかっぱエビせんを食べ始めたら
最後まで食べきってしまいます。
それくらいかっぱエビせんが大好きです。
で、動物病院で診察していると飼い主さんから
「かっぱエビせんを犬が食べたらどうなるの?大丈夫?」
と恥ずかしそうな顔をしながら質問されることがあります。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ
いつも「そんなに恥ずかしがらなくていいのに」って思います。
私だって獣医じゃなかったら、
同じような質問をしてしまうと思うので。
ところで、犬にエビを与えても大丈夫かどうかについてと
かっぱエビせんを与えてよいかどうかについては別議論になります。
エビを犬に与えても大丈夫か?については
こちらの記事をご覧ください。
⇒犬はエビを食べれるの?
では、以下、犬がエビせんを食べたらどうなるのか、
大丈夫なのかどうか解説します。
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犬はかっぱエビせんを食べれるの?
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犬がエビせんを食べれるかどうか?と二者択一で聞かれたら
「食べれます」と答えます。
ですが、それって「人間が土を食べれますか?」
と聞かれたら「食べれます」と答えるのと同じレベルです。
つまり、犬はエビせんを食べれるかもしれないけど
健康面については一切、考慮していないという意味です。
犬はかっぱエビせんを食べれるわけじゃないの?
まずかっぱエビせんにはしっかりとエビが入っています。
で、エビにはチアミナーゼというビタミンB1を分解する物質が入っています。
ビタミンB1は体を動かすエネルギーに関係しているビタミンです。
なのでエビに含まれるチアミナーゼの影響でビタミンB1不足になって
体がフラフラしたりすることがあります。
ただ、エビに含まれるチアミナーゼは加熱すればなくなります。
当然、かっぱエビせんに含まれるエビは加熱しているはずです。
どうみてもかっぱエビせんに『生』エビが入っているようにには見えませんよね。
したがってエビせんを犬が食べてもビタミンB1不足になって
体がフラフラするような症状は出ないでしょう。
「じゃ、エビせんの何が問題なの?」と思ったかもしれません。
エビせんの最大の問題は塩分です。
たとえばかっぱエビせん90g中に塩分が2.1g入っています。
で、犬も人間も塩分は必要です。
塩分を毎日摂取しないと命に関わります。
でも、塩分の摂り過ぎは心臓や腎臓に負担がかかります。
最悪、心臓病を発症してしまう可能性があるんです。
犬は諸説ありますけど、
1日に体重1㎏あたり25㎎から50㎎の塩分が必要だと言われています。
たとえば体重が5㎏のチワワで、1日に40㎎の塩分が必要だとします。
すると1日に200㎎、つまり0.2gの塩分が必要です。
ただ、0.2gを大幅に超える塩分を摂取するのは過剰です。
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犬が塩分を過剰摂取すると・・・
たとえば5㎏のチワワが1袋分のエビせんを食べると2.1gの塩分を摂取したことになります。
先ほど5㎏のチワワだと1日に0.2gの塩分で十分です。
なので約10倍の塩分摂取になります。
「チワワが1袋もエビせん食べないよ」と思った方もいるでしょう。
そりゃそうですね。
じゃ、現実的にエビせんを3分の1くらい食べたとします。
すると0.6gくらいの塩分を摂取したことになります。
これでもチワワにとっては塩分の過剰摂取です。
またエビせん以外にドッグフードを食べたとします。
ドッグフードにも適量の塩分が入っているので
さらに加算されます。
つまり、エビせんを犬が食べて、さらにドッグフードを食べたら
どう考えても塩分の過剰摂取になるわけです。
犬が毎日毎日、長期間、塩分の過剰摂取を続けることで
腎臓病や心臓病の原因になる可能性があります。
犬が心臓病になるとこちらの記事で解説しているようなお薬を
一生飲むことになります。
心臓病は一度発症すると治ることはありませんから。
⇒犬の心臓病治療薬
しかも心臓病の治療薬は高額ですし
ちょっとした興奮でも心臓発作を起こして愛犬が突然死することがあります。
かっぱエビせんは人間が食べるには問題のないお菓子だと思います。
でも犬が食べるには塩分の過剰摂取につながりますので
やめた方がよいでしょう。