前回の記事では猫コロナウイルスとはどんなウイルスなのか
4000文字ほど使ってかなり詳しく解説しました。
⇒猫コロナウイルスとは?獣医師がわかりやすく解説
今回の記事では猫コロナウイルスの1つ、猫伝染性腹膜炎の治療法について
実際に診察している獣医師が解説します。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ
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猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療法
前回の記事では猫コロナウイルスについてひたすら解説しました。
⇒猫コロナウイルスとは?獣医師がわかりやすく解説
猫コロナウイルスの中にFIP(猫伝染性腹膜炎)があるわけですが、
もし猫ちゃんが実際に猫伝染性腹膜炎だと診断されたらどうすればよいのでしょうか?
結論としては「猫伝染性腹膜炎の治療法ならこれ!」みたいな
確実によいと言える治療法はありません。
とはいえ、1猫伝染性腹膜炎の治療で使われるお薬はいろいろあります。
たとえばヒトのIFN-αがありますが、あまり効かないと言われています。
また、猫IFN-ω(商品名はインターキャット)は有効か無効か微妙だと言われています。
インターキャットについてはこちらの記事を参考にしてください。
⇒猫のインターフェロンとは?
⇒猫エイズにインターフェロンはどうなの?
⇒猫インターフェロンの副作用は?開業獣医師が解説
ともあれ、猫伝染性腹膜炎にインターフェロンは期待できないってっことです。
次にプレドニゾロン(ステロイド)はどうでしょう?
プレドニゾロンは炎症を抑える作用があります。
猫伝染性腹膜『炎』と炎症の炎がついているので
プレドニゾロンで治療する獣医さんは多いです。
猫伝染性腹膜炎にかかっている猫ちゃんにプレドニゾロンを使うことで
状態が改善したり、生存期間が数カ月程度延長できたという事例もあります。
そのため、プレドニゾロンは猫伝染性腹膜炎にかかっている猫ちゃんに対して
支持療法として使われることが多いです。
ちなみに支持療法とは猫伝染性腹膜炎やガンみたいな治ることが難しい病気の患者さんに対して
症状を軽減させるための治療方法のことです。
たとえば、猫伝染性腹膜炎の猫ちゃんが嘔吐するなら吐き気止めのお薬を使ったり、
痛みがあるならオンシオールなどの痛み止めのお薬を使ったりする治療法は支持療法です。
⇒オンシオールの効果がでる時間はどれくらい?
ただ、プレドニゾロンとかインターフェロンを治療法としてご紹介しましたが
猫伝染性腹膜炎に対する有効な治療法は確立されていないのが現状です。
ですから、猫伝染性腹膜炎はかからないように予防を徹底することや
猫伝染性腹膜炎(猫コロナウイルス)に関する知識を身につけることが重要でしょう。
⇒猫コロナウイルスとは?獣医師がわかりやすく解説
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