犬のファンコニー症候群について【獣医師解説】

糖尿病

犬も糖尿病になることがあります。
当院でも、糖尿病のワンちゃんの治療をしています。
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犬の糖尿病を診断するために

・血液検査
・尿検査

が必須です。

もちろん、糖尿病になると血糖値が異常に高くなりますし
オシッコに糖が混ざります。

ただ、今回の記事のテーマである
ファンコニー症候群でもオシッコに糖分が混ざることがあります。
もちろんファンコニー症候群は糖尿病ではありません。

つまり、ファンコニー症候群は糖尿病と誤診されやすい病気だってことです。
ただし、ファンコニー症候群の場合には血糖値が高くなることは
ふつうありません。

なので、血液検査と尿検査を併用すれば
糖尿病かファンコニー症候群か区別することができます。

ではここからが本題です。

この記事では犬のファンコニー症候群について
実際に動物病院で診察をしている獣医師が解説したいと思います。
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犬のファンコニー症候群の原因

犬のファンコニー症候群

ファンコニー症候群(Fanconi syndrome)という病気は
人間にも存在する病気の一種で
腎臓の尿細管といわれるの機能が
失われることによって起こります。

ファンコニー症候群の原因は

・遺伝性
・後天性

の2種類あります。

遺伝性は遺伝性です。
親犬の遺伝子の影響でファンコニー症候群になることがあります。

後天性とは生まれた後の環境などが原因で
起こることをいいます。

つまり、遺伝性は生まれる前に原因があり
後天性は生まれた後に原因があるということです。

後天的な原因としては

・重金属(鉛、銅、水銀)
・ゲンタマイシン、シスプラチン、ストレプトゾトシン、サリチル酸塩などのお薬
・べトリントンテリアの銅蓄積症
・ネフローゼ症候群
・上皮小体機能亢進症
・ビタミンD欠乏症
・低カリウム血症
・糸球体基底膜抗体
・移植に関連した間質性腎炎

などがあります。

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ファンコニー症候群の好発犬種

好発犬種

先ほど、犬のファンコニー症候群の原因は遺伝性と後天性の
2種類があるといいました。

で、遺伝性の場合。
発症しやすい犬種があります。

遺伝性で起こりやすい犬種として

・バセンジー
・シェットランドシープドック
・シュナウザー
・ノルウェージャンエルクハウンド

などがあります。

こんな感じでファンコニー症候群になりやすい犬種がありますが
ただ、雄と雌での差はありません

たとえば、バセンジーという犬種はファンコニー症候群に
なりやすいです。

でも、雄と雌だとどちらがなりやすいか?
というのはありません。
雄でも雌でも平等にファンコニー症候群になる可能性があります。

ただ、遺伝性(生まれつき)ということもあって
症状が出てくるのは若い時期です。
具体的には2歳から4歳の間です。

犬のファンコニー症候群の特徴

犬のファンコニー症候群

繰り返しになりますが、
犬のファンコニー症候群は腎臓(尿細管)の機能不全のひとつです。

腎臓には体の中でいらなくなった物質(老廃物)
をオシッコにする機能と
作られたオシッコを体の外に出す機能があります。

で、腎臓を上記画像のように
細かく見ると、尿細管という管が存在します。

さらに尿細管には近位尿細管と遠位尿細管があります。
近位尿細管にはオシッコに溶け出した犬にとって必要な成分を
血液中に再吸収して戻す機能があります。

ファンコニー症候群だと近位尿細管の状態が悪くなります

ファンコニー症候群になると、
犬の体にとって必要な成分が
オシッコから再吸収できなくなります。

大事な成分が体外に出てしまう結果、
これから解説するような
いろんな症状があらわれてきます。

つまり一度は捨てられてしまった犬にとって必要な成分を
再吸収するという近位尿細管が働かないことによって
起こる病気がファンコニー症候群
です。

具体的にどんな成分が再吸収されなくなってしまうか?というと

再吸収されなくなる物質として

・ブドウ糖
・アルブミンなどのタンパク質
・ミネラル
・電解質
・酸塩基平衡(体液バランス)をつかさどる重炭酸イオン

などの物質が考えられます。

ここまでまとめると
犬がファンコニー症候群を患うと
体にとって重要な物質が欠乏し
生きていくのに必要な機能を保てなくなってしまうんです。

たとえばファンコニー症候群を発症し
重炭酸イオン(HCO3- )の再吸収がうまくいかなくなると
血液が酸性に傾いてしまい、
代謝性アシドーシスという状態になってしまいます。

代謝性アシドーシスのまま放置すると
腎臓がダメージを受けてしまうんです。

結果、糸球体腎症という腎機能不全を引き起こし
多臓器不全となり、命を落とすことがあります。

非常に恐ろしい病気ですね。

犬のファンコニー症候群の症状

ファンコニー症候群

もし犬がファンコニー症候群を発症すると
お水をたくさん飲み、たくさんオシッコするという
症状が最初にみられます。

たくさんお水を飲み、たくさんオシッコをする症状というのは
糖尿病や腎不全でよくみられる症状ですが、
ファンコニー症候群でもみられます。

ただ、ファンコニー症候群の場合
その他に目立った症状はみられません。
これが症状を重篤化させる原因となってしまうんです。

ファンコニー症候群を発症し
少しずつ症状が進行していくと
体重がどんどん落ちてきて
栄養失調状態になり毛づやが悪くなったり
皮膚の状態が悪くなったりし始めます。

犬のファンコニー症候群の診断

ではどうやって愛犬がファンコニー症候群になっているかどうか?
調べるのでしょう?

まず、遺伝的に犬種でなりやすいかどうか?
決まっているんでしたね。

遺伝性で起こりやすい犬種として

・バセンジー
・シェットランドシープドック
・シュナウザー
・ノルウェージャンエルクハウンド

があります。

上記の犬種がいっぱいお水を飲んでいっぱいオシッコするなどの
症状があるようなら、ファンコニー症候群かもしれないと
頭の片隅に置いておきます。

あるいは

後天的な原因としては

・重金属(鉛、銅、水銀)
・ゲンタマイシン、シスプラチン、ストレプトゾトシン、サリチル酸塩などのお薬
・べトリントンテリアの銅蓄積症
・ネフローゼ症候群
・上皮小体機能亢進症
・ビタミンD欠乏症
・低カリウム血症
・糸球体基底膜抗体
・移植に関連した間質性腎炎

があるので、
上記のどれか該当することがあれば
これはこれでファンコニー症候群の可能性を頭の片隅に置いておきます。

次にファンコニー症候群かどうか診断するために
免疫血清学的診断を行います。

これは抗体検査などと同じものでして
検査機関にお願いして実施することになります。

で、免疫血清学的診断の結果で
ファンコニー症候群かどうか診断します。

犬のファンコニー症候群の治療

遺伝性の場合、原因が遺伝なので
完治させるための治療法はありません。

つまり、遺伝性の場合
完治させる方法はありません。

ですが、後天性であれば
原因となった疾患を治療したり
原因となったお薬をやめることで
対処することができます。

以下は後天性でも遺伝性でもどちらでも当てはまりますが
異常がある部分に対して治療を行います。

具体的にはアシドーシスになっているようなら
命の危険があるので、アシドーシス状態を改善させるための治療を行います。

他にも血液検査で異常があるようなら
その異常に対して治療を行います。

犬のファンコニー症候群の予後

最後に予後ですが、
ファンコニー症候群の経過は様々です。
治療の結果、症状が落ち着いてくれて
数年間元気に生きてくれる可能性もあります。

でも場合によっては
3ヶ月程度で腎不全が進行してしまい
命を落としてしまうケースもあります。

以上で解説を終わります。

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