ケンネルコフの症状を開業獣医師が解説

※アフィリエイト広告を利用しています

ケンネルコフ 症状

私は動物病院を経営している獣医師ですが、
「ケンネルコフってどんな症状ですか?」
と診察中に質問されることがあります。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

たとえば、ペットショップからワンちゃんがお家に来て
1週間くらい経ってから、急にえずくような症状で
心配して動物病院に来院されるかもしれません。

そもそもえずくとはどういう症状なのか
詳しくはこちらの記事で解説しています。
犬がえずくけど吐かない原因を開業獣医師が解説

ケンネルコフになると、えずく症状以外に
いろんな症状が出ます。

この記事ではケンネルコフの症状について解説します。

ケンネルコフの症状

ケンネルコフ

ケンネルコフでよくある症状は

・クシュンクシュンくしゃみをする
・ダラダラと鼻水が出る(色は緑色や透明など様々)
・40℃くらいの熱が出る(犬の平熱は38℃くらい)
・ゴホンゴホン咳をする(その姿がえずいているように見える)
・食欲がなくなる
・咳をして喉への刺激で嘔吐する

などがあります。

ケンネルコフはウイルスやばい菌などに感染してから
約1週間から2週間くらいは軽い咳が続きます。

たいていこれで治ります。
でも、まれに症状が悪化していき、上記のような症状が出ることがあるんですね。

なので、「ケンネルコフ。たかが犬の風邪でしょ」
となめてかかっていると、症状が悪化していき
食欲がなくなり、体はガリガリにやせ細り、
フラフラして立ち上がれなくなり、死亡してしまうこともあります。

なので、ケンネルコフでも、心配なら
動物病院にワンちゃんを連れて行ってあげてくださいね。
ケンネルコフの治療費っていくらかかる?開業獣医師が解説

またケンネルコフはワクチンである程度防げます。
必ずワクチン接種を受けるようにお願いします。
ケンネルコフはワクチン接種で防げるの?

ケンネルコフと似た症状を示す恐ろしい病気

ケンネルコフの症状

ケンネルコフの症状を今までみてきました。

ただ、ケンネルコフと症状が似ているけど
実は、命に関わるような恐ろしい病気の可能性もあるんです。

たとえばフィラリア症といって
心臓にそうめんのような白くて細長い寄生虫が詰まる病気は
咳が主な症状です。

他にも血のおしっこがでることもあります。

フィラリア症は蚊に刺されたときに
フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が犬の体内に入ることがあります。
その後、きちんとフィラリアの予防をしていない場合には
6ヶ月後に成虫になり、心臓に詰まるんです。

心臓に詰まると書いたのには理由があります。
蚊に刺された時に入り込むミクロフィラリは顕微鏡でしか見えないくらいの大きさです。

でも、その後、フィラリア少しずつ筋肉などで大きくなります。
6ヶ月後、心臓にフィラリアは行くのですが
ここで大きくなりすぎてしまい、心臓から出れなくなるんです。

その結果、フィラリア症として症状が出るときには
心臓病の症状が出るようになるんです。

犬が心臓病になると咳の症状が出ます。
だからフィラリア症になってもケンネルコフのような症状が出ます。
他にも犬だと僧帽弁閉鎖不全という心臓病になることが多いです。

やはりフィラリア症と同じく、咳の症状が
僧帽弁閉鎖不全でも出るのでケンネルコフと間違われることがあります。

フィラリア症も僧帽弁閉鎖不全でも
心臓病です。最後が心不全を起こして突然死することもあります。

診断はフィラリア症の場合、血液検査でわかりますし
僧帽弁閉鎖不全の場合、超音波検査とレントゲン検査、聴診でわかります。
心配な方は必ず動物病院に行くようにお願いします。

関連記事

ページ上部へ戻る