犬の出産前にレントゲンを撮る2つの目的を獣医師が解説

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子犬

愛犬が妊娠し、出産する前に
動物病院を受診すると、
「レントゲンを撮影しましょう」と言われます。

私は獣医師ですが、
当院でも出産前のレントゲン撮影は必ず
実施しています。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

ところで、先日
ある飼い主さんからこんなメール相談を受けました。
ちょうど、今回の記事の説明に役立ちそうなので
シェアしたいと思います。

犬の出産に関する飼い主さんからの相談内容

犬 出産 レントゲン

飼い主様からの相談ここから

吐いたり、体温が低くなったり
巣作り行動といった犬の出産兆候があったので
かかりつけの動物病院に連れて行きました。

出産予定日より5日早い兆候です。

獣医師は「予定日より5日も早いから
出産はまだでしょう。
レントゲンは出産予定日前日で大丈夫でしょう
とのことでした。

ですが、動物病院から帰宅したあと
その日の深夜2時に深夜に破水し
出産が始まりました。

50分おきくらいの間隔で4頭出産しました。
でもあと何頭母犬のお腹の中に
赤ちゃん犬が入ってるか分らなくて 
「これで終わりなのかな、まだいるのかな・・・」
と心配でたまりませんでした。

そこでかかりつけの動物病院に
何度も何度も電話しました。

が、つながりません。

4頭目の出産から2時間50分程度たって
やっと獣医さんと電話相談ができました。

「すぐに連れてきてください」
とのことで、レントゲンを撮ってもらいました。

「あと1匹残ってますね。
様子を見ましょう」とのこと。

私は昼の診察時にレントゲンを撮影してくれていれば
こんなことにならなかったんじゃないか?
という怒りから「様子見?」と怒り口調で言ってしまいました。

結局、それから2時間後に
残りの赤ちゃん犬を獣医師が引っ張り出し
「よかったよかった。
生まれてよかったね」と
感情がこもってない声で言ってました。

私には、この獣医師の態度とやり方に
いろんな不満が残っています。

なぜレントゲンを撮らなかったのか?
出産前のレントゲンって単純に
子犬の頭数を知るためだけの意味でしかないのか?

レントゲンでは異常に気づかないものなのか?
どうか教えて下さい。

飼い主さんからの相談以上。

犬の出産前にレントゲンを撮るべき2つの理由

犬 出産 レントゲン

犬の出産前(直前)にレントゲン撮影をした方がよい理由は2つあります。

犬の出産前にレントゲン撮影をする2つの理由は

理由1.胎児数を確認するため
理由2.自然分娩が可能か判断するため
(胎児の頭の大きさとお母さんの骨盤腔の大きさを比較)

です。

で、出産前といっても
レントゲン撮影は出産直前である方が望ましいです。

逆に出産予定日から10日とか20日とか
離れすぎているとレントゲン撮影の意味が薄くなります

なぜなら犬の胎児は妊娠末期に
急激に大きくなるんです。

だからなるべく出産予定日に近い方が
正確に判断できます。

つまり出産予定日直前だったら
出産時に骨盤を通る胎児の頭の大きさがわかるってことです。

仮に胎児の頭の大きさが骨盤腔より大きいなら
確実に頭が骨盤を通らないため
出産できません。

この場合、帝王切開が確定します。
でも、胎児の頭の大きさが骨盤腔より小さいなら
骨盤を頭が通るので、自然分娩は可能という判断となるでしょう。

あと、犬の出産の間隔は
約1時間前後の事が多い
ですね。

ただ個体差が大きいです。
場合によっては何時間も1頭の出産から
次の犬の出産まで間隔があく場合もあります。

基本的には間隔がたとえば40分と
短くても陣痛が弱い場合であったり、
逆に間隔が4時間くらいと長い場合には
陣痛促進剤を使ったり、帝王切開が必要になります。

犬の出産前のレントゲンはいつ撮るべき?

犬 出産 レントゲン

犬の出産前のレントゲン撮影は
出産直前に1回だけでOKでしょう。

先ほども言いましたが出産前のレントゲン撮影の目的は
2つですから。
この2つの目的さえ満たせればいいわけです。

犬の出産前にレントゲン撮影をする2つの理由は

理由1.胎児数を確認するため
理由2.自然分娩が可能か判断するため
(胎児の頭の大きさとお母さんの骨盤腔の大きさを比較)

です。

個人的には出産予定日の5日くらい前から
2~3日前くらいに1回レントゲン撮影を受ける
ことを
おすすめしています。

が、この辺はかかりつけの獣医さんのやり方、
考え方もあるので、
その獣医さんと相談するようにお願いします。

以上で解説を終わります。

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