上記画像は実際にインスリノーマと他院で診断され、
当院に転院してきた犬になります。
かなり生命の危険がある状態で、
ぐったりしていて、瀕死の状態でした。
この記事では犬がインスリノーマを発症すると
どんな症状がでるのか、わかりやすく解説していきたいと思います。
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犬インスリノーマの症状
犬で起こりやすいインスリノーマは
低血糖を引き起こす代表的な腫瘍です。
低血糖を引き起こす病気は他にもいろいろありますが、
腫瘍が原因で起こる低血糖ならインスリノーマが代表的でしょう。
⇒犬が低血糖を起こす原因【開業獣医師監修】
インスリノーマを発症すると低血糖の症状が出ますが、
ただ血糖値を測定しただけで診断はできないことの方が多いです。
なぜなら、血糖値というのは時間で変動するものだからです。
いくらインスリノーマを発症していても
時間によっては血糖値を測定しても正常範囲に入っているときもありますから。
なので、インスリノーマをどうやって診断するか?というと、
症状となります。
インスリノーマの代表的な症状は低血糖からくる神経症状(痙攣など)になります。
具体的には低血糖を起こすと痙攣の症状が出ることがあるんです。
自宅でワンちゃんがバタバタ痙攣をおこしてビックリして
動物病院に来院してきます。
その場合、獣医師は前回解説したような低血糖を引き起こす原因を
頭の中に描きながら診察します。
⇒犬が低血糖を起こす原因【開業獣医師監修】
たとえばお薬による低血糖の可能性とか
考えられないようなら、インスリノーマの可能性を疑うことになります。
インスリノーマの症状としてはよく
Whippleの3兆項
(1)症状(低血糖で起きてくる神経症状、痙攣とか)
(2)血液検査で低血糖(血糖値が60㎎/dL以下)だと診断
(3)グルコースで治療すると症状が改善する
を使います。
上記(1)、(2)、(3)のすべてに当てはまる場合には
低血糖の可能性が高く、しかも他にお薬を飲んでいないようなら
インスリノーマの可能性を疑うことになります。
もちろん、これは成犬が前提です。
もし生まれて数か月以内の子犬ならインスリノーマよりも
運動のし過ぎによる低血糖の可能性の方が高いでしょう。
⇒犬が低血糖を起こす原因【開業獣医師監修】
あと、インスリノーマの可能性が高い場合に
インスリンの値を測定することになりますが、
インスリンを測定する場合には、血糖値が60㎎/dL以下の時の血液を
使用することが重要です。
なぜなら、先ほどもいいましたように
血糖値は時間によって変動するものだからです。
ちなみに、私が獣医になりたての20年くらい前だと
グルコース、インスリン比を利用してインスリノーマを診断していました。
でも、グルコース、インスリン比でインスリノーマを疑うことは
現在はしていません。
なぜなら、グルコース、インスリン比で異常が出ても
必ずしもインスリノーマだとは限らないことが最近、わかってきているからです。
なので、シンプルに低血糖のときの(血糖値が60㎎/dL)のときに血液で
インスリン値を測定したほうがよいでしょう。
で、血糖値が60㎎/dL以下でしかもインスリンの値が正常か、それ以上であれば
おかしいのでインスリノーマの可能性が高くなります。
その場合には、さらにどこに腫瘍があるのか?診断するために
CTやMRI検査をすることになります。
最後にまとめますと、犬のインスリノーマによる症状は
神経症状(痙攣など)になります。