猫特発性膀胱炎の原因・治療について獣医師がわかりやすく解説

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この記事では猫特発性膀胱炎(猫特発性間質性膀胱炎)の
2020年現在、分かってきた原因や治療法を獣医師がわかりやすく解説します。
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猫特発性膀胱炎の特徴

猫特発性膀胱炎

猫特発性膀胱炎はアルファベットで書くとFeline Idiopathic Cystitisと書きます。
頭文字をとってFIC(エフアイシー)と略して言う獣医さんが多い気がします。

それから猫特発性膀胱炎は猫特発性間質性膀胱炎と『間質性』を
加えて言う場合もあります。

ですので、
猫特発性膀胱炎=猫特発性間質性膀胱炎
ということです。

別の記事で尿石症(オシッコが作られて排尿されるまでの間にできる石のこと)について
解説しています。
猫の尿石症5つの原因を獣医師が解説
猫|尿石症の治療方法(獣医師解説)

ところで猫ちゃんに尿石症が起こると、できた石が尿道に詰まりオシッコがでなくなる尿道閉塞を
起こすことがあります。
尿道閉塞は尿道の太さなどから雄の猫ちゃんにしか起こらないといっても過言ではない病気です。

もし猫ちゃんが尿道閉塞を起こしたら
尿カテーテルを入れて石を膀胱に押し戻すなどして、
詰まった石を取り除く治療を行います。

ただ、こんなケースもあります。
尿石症により特に雄の猫ちゃんで尿道に石が詰まることで尿道閉塞を起こすこともありますが、
逆に尿道閉塞を起こしているのに、石が見つからないケースもあるんですね。

尿路閉塞

ある意味怪奇現象ですね。
では「どうして石が見つからないのに尿道閉塞を起こすことがあるんだろう?」

前回解説しましたが、犬の場合はばい菌の感染で尿石症が起こる場合もあります。
犬のシュウ酸カルシウにおける食事の考え方を獣医師が解説

でも猫ちゃんの膀胱炎だと、
ばい菌が関係しているケースは少ない
です。

こういった経緯から猫特発性膀胱炎という名前ができました。
特発性=原因不明というイメージです。

つまり、よくわからないけど、猫ちゃんに膀胱炎が起きている状態を
猫特発性膀胱炎だと理解していただくとわかりやすいでしょう。

膀胱の間質

ただ、猫特発性膀胱炎の猫ちゃんの膀胱を上記画像のように一部切り取って調べてみると
間質という場所に炎症細胞(炎症がある場所に存在する細胞)が見つかることが多いのです。
このことから猫特発性膀胱炎を猫特発性間質性膀胱炎と言ったりするわけですね。

かなり専門的な話になりますが、

猫特発性膀胱炎には

・潰瘍を起こしていない(神経内分泌異常による)TypeⅠ
・潰瘍を起こしている(炎症による)TypeⅡ

の2タイプあります。

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猫特発性膀胱炎の原因

猫特発性膀胱炎はカリシウイルスが関係しているのではないか?
と考えられていたりします。

他にも全身的な炎症とか体の外とか内側のストレスでも
猫特発性膀胱炎の原因になる
と言われています。

ストレスというのはイライラするみたいなイメージもあるかもしれません。
もちろんイライラもストレスでしょうけど、
いろんなストレスがあります。
暑さとか寒さもストレスですし、痛みもストレスです。

具体的には

ストレス要因として

・暑さ、寒さ、騒音などの物理的なストレス
・ばい菌、ウイルス、花粉などの生物的なストレス
・工事現場の騒音、閉じ込められて不自由、怒られたなどの心理的なストレス

などがあります。

なので、猫特発性(間質性)膀胱炎は
ストレスが原因ということは無限の可能性があるってことです。

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なぜ猫特発性膀胱炎が原因で尿路閉塞が起こるの?

猫特発性間質性膀胱炎

先ほど、ストレスが原因で猫特発性(間質性)膀胱炎が起こるといいました。
で、猫特発性(間質性)膀胱炎は石ができる病気ではありません。

石が尿道に詰まるわけではないのに
どうして猫特発性膀胱炎で尿路閉塞(=尿道閉塞)が起こることがあるのでしょう?

いろいろ理由はわかってきているのですが、
一般的には栓子(プラグ)が尿道などに詰まって尿道閉塞が起こるのではないか?
と言われています。

あと稀ですが、石で詰まったり、
腫瘍によって尿道閉塞が起こることもあります。
石はオシッコのpHなどの影響でできたりするので
猫特発性膀胱炎になり、
膀胱などの環境が悪くなって石ができることもあるのです。

ではどのようにして栓子(プラグ)が猫特発性膀胱炎によってできるのでしょうか?
はっきりいってよくわかっていません。

ただ仮説としては尿道にある毛細血管が拡張することによって
血清タンパクがどんどん漏れ出して、そこに結晶(石)が巻き込まれると
栓子(プラグ)ができる
と言われています。

ということでたんぱく質と石の成分が栓子(プラグ)になっているのではないか?
と考えられています。
ですので、結晶(石)が原因ではなく
石と血清タンパク2つが絡み合って栓子ができてしまうのが原因で
猫ちゃんの場合、尿道閉塞が起きている可能性が高い
です。

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猫特発性膀胱炎の診断方法

猫特発性膀胱炎の診断

まず最初に言っておきたいのは、
この検査で猫特発性膀胱炎を診断できるみたいなものはないってことです。

じゃ、どうするか?
「この検査でこういう結果が出たから、この病気ではないな・・・」
みたいなのを繰り返していき、
「余ったのが猫特発性膀胱炎しかないな」
ということで猫特発性膀胱炎だと診断します。

これを除外診断といいます。

つまり、猫特発性(間質性)膀胱炎の診断は除外診断となります。

具体的にはばい菌に感染していないか、結石ができていないか見ていき、
次にレントゲン検査やエコー検査を実施して、
何かオシッコが出なくなる尿道閉塞を起こす原因がないか?突き詰めていきます。

これらの検査を実施しても、異常が見つからないようなら
先ほど解説したようなストレス要因の有無を飼い主さんなどから聞き取りしていき
最終的に猫特発性膀胱炎だと診断します。

猫特発性膀胱炎で多い症状は結石が見つからないのに
血尿が出たり、頻尿の症状が出たりすることが多いので、
上記のような診断手順を踏みながら除外診断をしていきます。

猫特発性膀胱炎の治療

猫特発性膀胱炎の治療

猫特発性膀胱炎の症状を大きく2つ分けると

・尿道閉塞を起こしていて、オシッコが出ない緊急事態か
・尿道閉塞を起こしていなくて血尿や頻尿の症状があるだけか

となります。

尿道閉塞を起こしている猫特発性膀胱炎は獣医さん用語で「尿閉」と言われるものです。
治療としてはまず、尿閉を解除(カテーテルを尿道に入れて、オシッコが出るように処置する)します。
カテーテルによる治療が上手くいってオシッコがでるようになっても、
数日間くらいは、また尿閉を起こすのでカテーテルは挿入したままのことが多いです。

要するにオシッコ垂れ流し状態ってことが多いです。

次にオシッコが出ない状態が続いていたので、
たいてい血液検査をするとBUN(血液尿素窒素)が
異常に高くなっています。

この状態を急性腎不全といいます。
命に関わる危険な状態です。

なので、できるだけ迅速に点滴でいっぱいオシッコを作らせて、
ジャージャー猫ちゃんに出させることで、BUNの値を下げていきます。

これに加えて急性腎不全状態だと代謝性のアシドーシスという状態になっていることが多いので
血液検査で確認後、重炭酸を点滴に混ぜるなどして治療をすることも多いですね。

あと、猫特発性膀胱炎の場合、治療しても
完治っていう状態を目指すのは難しいと言われています。

猫特発性膀胱炎はストレスが原因であることが多いからです。
何がストレスになっているのか、発見するのは難しいですからね。

私が経験した症例では、
治っては再発を数年繰り返していたのですが、
たまたま飼い主さんが引っ越したら、一瞬で猫特発性膀胱炎が治り
二度と再発しなくなったという例
もあります。

猫ちゃんが食事をしているときに飼い主さんに見られるのがダメで
猫特発性膀胱炎になっていたというケースもあります。

他にも猫ちゃんって一般的に急激に食事が変わるのもストレスのようです。
なので、食事の種類を変えるときには、前のフードとこれからのフードを
半々にして与え、慣らしていくなどの工夫も必要かもしれません。

猫トイレ

あと、トイレ変えるときも
前のトイレの素材とこれからのトイレの素材が違うなら
両方のトイレを置いて、どっちのトイレの素材が好みか?
テストするのも必要でしょう。

好みのトイレでないのも猫ちゃんにとってはストレスを感じる原因になりますから。

これらの環境からくるストレス対策をしながら
動物病院ではお薬を使った治療
もしていきます。

動物病院では抗うつ剤の系統を使って猫特発性膀胱炎の治療をしていきます。
これは尿道閉塞が起こっていて解除後の猫ちゃんでも、
尿道閉塞が起こっていない猫ちゃんにも使用します。

よく使うのはこちらですね。
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猫ちゃんの特発性膀胱炎の原因の多くはストレスですから、
抗うつ剤を使うのは当然のことだと思います。

特発性膀胱炎の猫ちゃんは
膀胱炎の症状があるのでお腹に痛みがありますし
頻尿や血尿の症状があります。

こういった症状に対して痛み止めのお薬を使うことがあります。
詳細はこちら

ただし、『尿道閉塞が起きていない』という前提で猫特発性膀胱炎の症状が出た場合、
85%の症例では2~3日で症状が改善するという論文があります。

ですので、痛そうなら痛み止めのお薬を使うのは大切ですけど、
抗生物質を長期間猫ちゃんに飲ませるのはどうなのかな?と思います。

抗生物質の使い過ぎは耐性菌ができる原因になり、
その後、必要な時に抗生物質が効かないという悲惨な状況を回避するためにも
獣医さんと相談の上、お薬を決めるようにした方がよいでしょう。

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