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息子：「お母さん、ペロ（愛犬）に黒いデキモノができてる！」

母：「え、どこ？」

息子：「ほら口元に」

母：「なにこれ？ペロを動物病院に連れて行かなきゃ」

動物病院で診療していると
上記のような会話をしていたであろう親子を
よくみかけます。

上記の画像は私が診察したミニチュアダックスです。口元に黒いデキモノができています。

もちろん私は獣医師です。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

話を元に戻して
上記黒いデキモノができたダックス。
検査したところメラノーマの初期でした。

この記事では犬にできるメラノーマとは
どんなデキモノなのか、それから
メラノーマの初期症状について
解説していきたいと思います。

犬にできるメラノーマとは？

メラノーマとは別名悪性黒色腫とも言われるガンの一種です。

メラノーマはメラノサイトという細胞が癌化した結果できます。

普段、メラノサイトはメラニン色素を作っています。
メラニン色素とは
皮膚や髪の毛の色を作っている色素のことです。

人間にもメラニン色素があります。
真夏の炎天下に海で泳いでいると
真っ黒に日焼けしますね。

これはメラニン色素の影響です。

話を元に戻しますと、
メラノサイトが癌化したものがメラノーマです。

メラノーマは皮膚と粘膜の境界線あたりに
できることが多いです。

粘膜とはたとえば肛門でいったら
中のピンクの部分、皮膚は肛門の外の部分。

口でいったら、犬なら歯茎などがある
ピンクの部分が粘膜で、口の外の毛が生えている部分が皮膚です。

上記画像でいったら
ちょうど赤枠内の口元あたりが
皮膚と粘膜の境界線になります。

それからメスよりオスのほうが
メラノーマができやすいと言われています。

では続いてメラノーマの初期症状について
解説していきます。

犬にメラノーマができたら初期症状はどんな感じ？

できたてほやほやのメラノーマ、
つまりメラノーマの初期は
黒い斑点くらいの小さいシコリです。

黒い斑点くらいのメラノーマが
急激に大きくなってくるのが初期です。

「じゃ、黒色のシコリに気をつけたらいいの？」
と思った方もいるかもしれません。

が、そんなこともありません。
経験的に黒色の方が多い気がしますが
中には茶色であったり、無色ってこともあります。

だから、シコリが粘膜と皮膚の境界線付近に
できているようなら、
とりあえず動物病院で診察を受けた方がよいでしょう。

他に起こりうるメラノーマの初期症状ですが。
メラノーマが大きくなるにつれて
シコリ部分が潰瘍を起こし潰れることがあります。

すると出血したり、ばい菌が繁殖して
膿んでくることもあります。

などの症状が出ます。

口以外にメラノーマができた場合、
その部分に痛みが出ることが多いです。

四肢なら痛みからびっこを引くような
不自然な歩き方をする場合もあります。

犬にできた初期のメラノーマを見つけるコツ

犬にできるメラノーマの場合、
肉眼で見える場所にできます。

上記の画像でもわかるように
メラノーマができている場所よりも
色が濃いことが多いです。

なので、まずは肉眼で愛犬の全身をくまなくチェックしましょう。
ただ、初期だと、シコリが小さいことが多いので
見つかりにくいかもしれません。

そういった意味では、できれば毎日
ブラッシングしたりするときに
全身をくまなくチェックする癖をつけておくとよいでしょう。

などがあります。

もし上記の特徴の1つでも確認できたなら
できるだけ早く動物病院を受信するようにしましょう。

メラノーマは悪性腫瘍です。
放っておいたら転移して命を落とす可能性が高くなります。
気をつけてくださいね。

メラノーマができやすい犬種は？

メラノーマはすべての犬種でできやすいわけではありません。
できやすい犬種とできにくい犬種があります。

などがあります。

テリア系とはウェストハイランドホワイトテリア
みたいに、最後にテリアとつく犬種が該当すると思ってください。

スパニエル系もイングリッシュコッカースパニエルみたいに
最後にスパニエルとつく犬種が該当します。

などがあります。

以上で解説を終わります。