犬の低血糖とは血糖値が60㎎/dL以下の状態のことをいいます。
そして低血糖の症状が出て、
命の危険性が生じるのは血糖値が40㎎/dL以下くらいです。
この記事では犬が低血糖を起こす原因について解説しますが、
先に一般的な症状について説明しますね。
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犬の低血糖の症状
脳や神経の栄養分って何かご存じですか?
脳や神経の栄養分は主に糖分です。
ですので愛犬が血糖値が低い状態である低血糖を起こすと
脳や神経に行く糖分の量が減るため、
脳や神経が栄養不足に陥り、神経症状がでます。
神経症状といっても、症状の軽重は千差万別です。
軽いものだと様子や行動が普段と違う感じ、
たとえば飼い主さんが見ると、「ちょっとおかしいな」くらいです。
重くなってくると、筋肉がピクピク痙攣をおこしたり
ブルブル震えたり、フラフラしたり
グッタリするようになります。
場合によっては低血糖で嘔吐することもあります。
犬の低血糖の原因
何の病気がなくても(これを生理的といいます)低血糖を起こすこともありますし
病気が原因で低血糖を起こすこともありますし、
お薬などの治療が原因で(これを医原性といいます)低血糖を起こすこともあります。
具体的に犬が低血糖を起こす原因として
・運動しすぎ(体にある糖分以上に運動で糖分を消費しすぎた)
・栄養失調(飢餓状態だと体内の糖分が少ない)
・特に生まれたばかりの子犬(筋肉や脂肪が少ないし、体内に貯めている糖分が少ないから)
・糖尿病で過剰なインスリン注射の結果低血糖を起こす
・キシリトール中毒
・血液検査の機械がエラーを起こすケース
・採血して検査するまで時間がかかりすぎているケース
などがあります。
運動しすぎのケースでは糖分の補給などで改善が見られます。
子犬の低血糖のケースは2~3時間に1回、こまめに食事を与えることで
低血糖の予防ができます。
キシリトールについてはこちらの記事をご覧ください。
⇒犬がキシリトール中毒を起こす量は?
病気で犬が低血糖を起こす原因は
・副腎皮質機能低下症や下垂体機能低下(血糖値を維持するためのホルモン不足による)
・肝不全や門脈体循環シャント(肝臓への血流が不足して肝機能が落ちる結果)
・インスリノーマ(血糖値を下げるインスリンが過剰に分泌される腫瘍)
・赤血球の数が異常に増えるケース(糖分が赤血球で消費される結果)
・肝臓や平滑筋などの腫瘍(インスリンのような物質が過剰に分泌されるケース)
・敗血症(体で糖分が作れなくなったり、糖分の消費が増える結果)
・バベシアという寄生虫の重度感染(糖分作れなくなったり、糖分消費が増える結果)
などがあります。
インスリノーマについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒犬のインスリノーマの症状を獣医師が解説
続いて愛犬が低血糖を起こした場合の対処法について解説します。
⇒犬の低血糖|適切な処置法を獣医師が解説