私が診療している動物病院に転院してきた猫ちゃんがいました。
(個人情報の関係から、データは少し変えてあります)
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ
転院してきた猫ちゃんの情報は以下の通りです。
(くどいようですが個人情報もあるので少しデータは変えてあります)
その猫ちゃんは6歳の避妊手術済み雌、雑種、完全室内外で
慢性腎不全の猫(体重5㎏)です。
その猫ちゃんが受けた血液検査で
アンモニアの数値が高いという結果が出ました。
血液検査の結果は
IP 3.3( 1.7- 7.1)
GOT 38 ( 8- 50)
GPT 58 (11- 83)
ALP 87 (38- 163)
T-BIL 0.3( 0.1- 0.6)
NH3 281 (23- 79)
()内は正常値の範囲です。
上記の通り、NH3(アンモニア)だけが
異常に高い数値となっております。
以前まで受診していた動物病院の獣医さんは
「アンモニアの数値が高い原因はわからないな」
と、首を傾げていたようです。
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猫のアンモニアの数値が高い原因として何が考えられる?
アンモニアは私たち人間でもそうですし
猫ちゃんでもそうですが、タンパク質が
分解されてできます。
つまり、肉などに入っているたんぱく質が体に入ると
アンモニアができるわけです。
そしてアンモニアは肝臓でいろんな作用を受けて
尿素という物質に変化し、血液中に放出されます。
そして血液中に放出された尿素が
血液検査で腎不全かどうかの判断材料になる
BUN(血液尿素窒素)の数値に影響を与えます。
最終的には血液中の尿素は
腎臓でオシッコに変化し、
尿道から排泄されます。
ちなみに腎臓の状態が悪い(つまり腎不全)になると
尿素(BUN)の排泄がうまくできなくなるので
血液検査でBUNの数値が高くなるんです。
以上解説してきた、アンモニアが体内で作られたり
尿素に変化してオシッコとして排泄されるという理屈から、
アンモニアの数値が高いということは、
・タンパク質の分解が非常に活発に行なわれている可能性
・肝臓の機能が低下している可能性
が原因として考えられます。
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猫のアンモニアの数値が高いならどう対処すればいい?
もし血液検査でアンモニアの数値が高いということであれば
もう一度、絶食状態で
アンモニアの数値をチェックしてみることをおすすめします。
先ほども申しましたが
アンモニアは食事中に含まれるタンパク質が変化したものです。
なので絶食状態で血液検査をしても
肝臓の機能が低下していれば
やはり、アンモニアの数値は高い可能性が高いです。
絶食状態で検査するといっても
1週間も猫ちゃんを絶食させるわけではないですからね。
朝だけ絶食して血液検査をしているとして
肝臓の機能が正常ならさすがに
以前の食事中に含まれたタンパク質はアンモニアから
尿素に変化しているでしょう。
それでもアンモニアの数値が高いなら
肝臓や肝臓に分布する血管の異常と考えられます。
ただし、猫では肝臓に分布する血管の異常は
犬に比べれば少ないと考えられています。
が、理屈上は十分起こりえる病気でもあるのです。
ちなみに血液検査でよく調べる
GPTやALPは肝臓が壊れていく速さを見ることはできます。
ですが、肝臓の機能そのものの指標にはなりません。
肝臓の機能を評価する検査は別の方法を行ないます。
肝臓の検査は
・構造上の問題
・機能上の問題
はっきりさせる必要があります。
構造上の問題を評価するための方法は
レントゲン検査やCT検査、超音波検査が考えられます。
レントゲン検査やCT検査で
肝臓の大きさを調べ、
超音波検査で肝臓の構造を確認します。
さらに肝臓の血管については
造影検査を行うことがあります。
造影検査によって、
肝臓に分布する血管の異常を
明らかにすることができるんです。
ただし、肝臓周辺の造影検査は
失敗すると命に関わることもあるほど
難しい検査でもあるので大学病院や高度医療を行っている
動物病院に依頼されたほうが無難だと思います。
さらにもっと詳しく検査をするとしたら
試験開腹いって、全身麻酔下で
メスでお腹を開いて肝臓の色調や形などを
肉眼で確認することがあります。
また、肝臓を肉眼でチェックしているときに
一部を切除して顕微鏡で病理検査をし、
細胞,組織レベルでの異常がないかどうかを
確認すれば構造の検査は終了です。
次に機能上の問題に関しては
総胆汁酸測定という血液検査で確認することができます。
総胆汁酸測定は絶食状態での採血と、
食餌を食べさせた後の採血で、
2点を比較して評価される検査方法です。
これにより、肝臓の状態を確認し
アンモニアの数値が高い原因を探り
適切な治療をしていくことになります。
以上で解説を終わります。
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