犬の輸血に伴うリスクを獣医師が解説

犬 輸血 リスク

愛犬に輸血を受けさせる予定だけど、
どんなリスクがあるのか、
心配になっているあなたに向けて記事を書いています。

ちょうど、飼い主さんからの相談メールで
輸血に関するものがあったので
ここでシェアしたいと思います。

もちろん私は獣医師です。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

飼い主さんからの相談ここから

9歳雄のトイプードルです。
「ゲーゲー」吐いて、
「ブリブリ」と水様のウンチが続くので、
心配になり、〇〇動物病院で
診察を受けたところ赤血球の数値が
異常に低く、貧血だと診断されました

玉ねぎが大量に入った
カレーライスをちょっとだけですが
愛犬が食べていたようです。

ただ、さらに詳しい検査を受けたところ
玉ねぎ中毒ではなく、
免疫介在性溶血清貧血だそうです。

数日通院して注射治療を受けました。
でも、まったく貧血が改善しません。

「あと数日しても貧血が改善しないなら
輸血しましょう」と担当獣医師に言われました。

「犬に輸血?」と不安です。
犬の輸血にリスクはないのでしょうか?

飼い主さんからの相談ここまで

犬への輸血に伴うリスクとは?

犬 輸血 リスク

ここから獣医師である私が回答した内容になります。

こんにちは獣医師の〇〇です。

愛犬の貧血の状態はどうでしょうか?

免疫性溶血性貧血ということで
心配だと思います。

注射治療がうまくいかず
貧血がさらに進行してしまうと
命の危険性が出てしまいます。

そのため輸血ができる環境なら
お願いしたほうがよいでしょう。

ワンちゃんの貧血が改善し
状態がよくなる可能性が高いです。

輸血のリスクですが、
クロスマッチ検査という検査を輸血前にします。

クロスマッチ検査で問題ないなら
リスクはほとんどないと思います。

ただまれにクロスマッチ検査で適合していると
判定されていても
状態が悪化してしまうこともあるんです。

ここで参考文献をご紹介したいと思います。

以下日本小動物医療センターJCVIM 2013『新鮮全血輸血が実施された犬57例の急性副反応に関する研究』より引用
引用元URL:https://jsamc.jp/dr_info/clinical/pdf/jcvim_2013_04.pdf

【結果】レシピエントの年齢の中央値は9.7歳(1.9〜15.5歳)、
体重の中央値は9.0kg(2.8〜33.8kg)、
総輸血量は16,570mlで1回あたりの平均輸血量は162.5ml(40〜400ml)、
平均輸血回数3.1回(1〜18回)であった。

急性副反応の総発生率は21.6%(22/102)で、
その内訳は、発熱7.3%(7/96)、
嘔 吐5.9%(6/102)、
期 外 収 縮3.9%(4/102)、
顔面腫脹0%(0/102)、
蕁麻疹0%(0/102)、
掻痒0%(0/102)、
溶血4.9%(5/102)
であった。

溶血が認められた5例中、
初回輸血は2例、
2回目以降の輸血が3例であった。
急性副反応に起因すると考えられる死亡は
認められなかった。

以上引用終了

上記引用元のように輸血による死亡例はなかったものの
顔が腫れたり、痒みが出たりなどの
副反応が出ることがあります。

もちろん、上記引用元で死亡例はなくても
絶対に輸血で死亡しないというわけではありません。

でも、輸血のリスクを恐れるあまり
命を繋ぐのに重要な輸血を
しないという判断は本末転倒ではないでしょうか。

この辺はかかりつけの先生と
よく相談して下さいね。

以上私からの回答。

以上が犬に輸血をすることで伴うリスクです。
きちんとクロスマッチ検査を受け
適合しているようなら、
そこまで重大なリスクはないでしょう。

でも絶対に安全な治療というのは
ありません。

なので、かかりつけの獣医師と十分相談した上で
愛犬に輸血を受けさせるかどうか
決めるようにお願いします。

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