犬のクッシング症候群末期症状はどうなる?【獣医師解説】

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2020年3月の昼頃、
当院に肥満のトイプードルちゃんが転院してきました。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

クッシング症候群のことが心配だったそうです。
クッシング症候群はホルモンの病気の一種です。

犬の病気にはワクチンで予防できる犬コロナウイルス感染症や
パラインフルエンザとか
ソファから落ちて骨折みたいに
割と短期間で改善できる病気もあります。

といっても改善までに数か月かかることもありますし
命を落とすこともあるので
犬コロナウイルス感染症などを軽い病気だと
思っているわけではありません。

犬のワクチンについてはこちらの記事をご覧ください。
あなたの愛犬は何種の混合ワクチンを受けるべき?
【獣医師監修】犬の混合ワクチンとは?

逆に犬の病気の中でも一生治療することもあるものに
ホルモンの病気があります。

以前は愛犬が突然太ってきたとか
元気がないといった症状があるときに
とりあえず様子を見る飼い主さんが多かったように思います。

ですが2020年現在、
きっちりと検査して診断してもらおうとする
飼い主さんが増えてきた気がします。

そんなこともあって、
ホルモンの病気だと診断を受けた
ワンちゃんの頭数も増えてきました。

今回の記事のテーマである犬のクッシング症候群も
ホルモンの病気の一種です。

クッシング症候群だと診断した場合には
飲み薬による治療や食事の改善指導、
その後、定期的に検査をするなどしていくのが
一般的です。

ちなみに犬のクッシング症候群の治療薬はこちらです。
トリロスタン犬用(Vetoryl)30mg

ただ、基本的に一生治療を受け続ける病気なので
金銭的な面で途中で治療をあきらめる飼い主さんもあります。

もし治療をあきらめるなどして
症状が進行した場合、
末期症状としてどんな症状が起こりえるのでしょう?

この記事では犬のクッシング症候群の
末期症状について解説していきたいと思います。

末期症状がどんなつらいものなのか、
知っておくことで、
飼い主さんの考え方も変わってくることと思います。

犬のクッシング症候群の末期症状

犬 クッシング症候群 末期症状

犬のクッシング症候群の末期症状には
どんな症状が考えられるのでしょう?

クッシング症候群の末期症状は
いろいろあります。

ただ、その中でも比較的起こりやすい
末期症状を以下示していきたいと思います。

末期症状1.他の病気になりやすくなる

犬 クッシング症候群 末期症状

クッシング症候群というのは
多くの人が嫌っているステロイドのお薬が
大量に体内で分泌される病気
です。

ステロイドは免役を落とす作用があります。
ですからクッシング症候群の末期になってくると
免疫抑制状態になってきます。

普段なら、ちょっと大腸菌やコロナウイルスが体内に入っても
免疫力でやっつけて、無症状ということが多いです。

でも、免疫抑制状態になると、大腸菌による食中毒が発生したり
コロナウイルスによる下痢の症状が出やすくなります。

こんな感じで免疫機能が抑制されると
感染症にかかりやすくなるんです。

皮膚だとブツブツができやすくなったり
呼吸器だとパラインフルエンザによる肺炎、
オシッコ関連だと膀胱炎になりやすくなったりします。

末期症状2.血糖値が異常に高くなる

診療獣医師

繰り返しになりますが
クッシング症候群は体内のステロイドの量が増える病気です。

ステロイドにはタンパク質が糖分になるのを
促進する作用があります。

要するに体内の糖分が増える⇒血糖値が上がる
ってことです。

血糖値が上がると感染症にかかりやすくなります。

なぜ血糖値が上がると感染症にかかりやすくなるの?

先ほど、クッシング症候群になると体内のステロイドの量が増え
結果、血糖値が上がるというところまで解説しました。

ここまで大丈夫でしょうか?

で、血糖値が上がると感染症にかかりやすくなります。
どうしてでしょう?

5つの理由があります。

理由1.白血球のパワーが落ちる

1つ目の理由として、
白血球のパワーが落ちるから
です。

白血球(特に好中球)は犬の体の中に
大腸菌やコロナウイルスなどが侵入すると
これらのばい菌やウイルスを取り囲んで食べてやっつけます。

でも血糖値が高くなると白血球がばい菌やウイルスを食べる
パワーが落ちるんです。
だから、クッシング症候群の末期になると
感染症にかかりやすくなるんです。

理由2.抗体を作るパワーが落ちる

2つ目の理由として、
仮にばい菌やウイルスが犬の体内に侵入すると
健康だったら、体内で抗体を作ります。

抗体というのは一度できると
今後、同じばい菌やウイルスが侵入した場合、
迅速に戦ってくれる有能な戦士のことです。

でも血糖値が高いと抗体を作る能力が落ちるんです。

だから、クッシング症候群の末期になり
血糖値が常に高い状態だと
一度かかったばい菌やウイルスでも
再感染しやすくなってしまいます。

理由3.細い血管の流れが悪くなる

クッシング症候群になり血糖値が高い状態が続くと
細い血管の流れが悪くなります。

血液には酸素や栄養を全身(いろんな細胞)に行きわたらせ
老廃物を体の外に出させようとする作用があります。

なので高血糖になり血流の流れが悪くなると
細胞に酸素や栄養がうまく行き渡らなくなります。

すると細胞の働きが悪くなります。
また白血球は血液の一種ですから、
血流が悪くなったら、ばい菌やウイルスが存在する場所へと
到達しにくくなります。

結果、ばい菌やウイルスをやっつけにくくなり感染症に
かかりやすくなります。
また、ばい菌やウイルスにより細胞がダメージを受けても
血液の流れが悪く、栄養や酸素をもらいにくくなっているので
回復するスピードも遅くなります。

なので治りも悪いです。

さらも抗生物質のお薬を飲んでも
最後は血流にのって、問題の場所に行かないと効きません。
でも、血流が悪いのでお薬も問題の場所になかなか行けません。

なのでお薬の効きも悪くなるので
クッシング症候群の末期になると
感染症にかかりやすく治りにくく、
お薬も効きにくくなるのです。

理由4.神経障害を起こす

クッシング症候群の末期になると血糖値が高くなりますが
さらに、糖尿病にもなりやすくなります。
糖尿病の合併症に神経障害があります。

神経には痛みを感じる作用があります。
ここまでの理由により愛犬が感染症にかかり
痛みを感じる状態になっても、神経障害による痛みを感じにくいです。

結果、病気の発見が遅れ、
さらに感染症が進行してしまうわけです。

理由1.インスリンの作用が落ちる

ここまでの理由により感染症にかかると
ばい菌やウイルスをやっつけるサイトカインといった物質を
体を作ります。

ただサイトカインの中には
血糖値を下げるインスリンを邪魔する作用があるものもあるんです。
結果、血糖値が今まで以上に上昇し、下がりません。

となると、理由1から4の状況がさらに悪化するので
さらに感染症にかかりやすくなるわけですね。

これは糖尿病でも同じですけど
クッシング症候群でも血糖値が上がることは同じなので
どんどん病気にかかりやすくなります。

では犬のクッシング症候群の末期症状の解説に戻りましょう。

末期症状3.筋力が落ちる

先ほどの解説の通り、
クッシング症候群の末期になると
血糖値が上がり、神経障害が出てきます。

神経は痛みを感じるだけでなく
体を動かすのにも重要です。

なので、神経症がが出る結果、
体をうまく動かせず筋力が落ちてきます。
最悪、自力で動けなくなってくることもあります。

末期症状4.血栓ができ脳障害を起こしやすい

さらにクッシング症候群の末期になると
血栓ができやすくなります。
体内で増えるステロイドの影響です。

ともあれ、血栓ができる
脳の血管につまると、脳障害を起こすことがあります。
人間で言ったら脳梗塞ですね。

そうならないためにも
クッシング症候群のお薬は獣医師の指示通り
飲んでおいた方が無難でしょう。

当院ではこちらのお薬を処方します。
トリロスタン犬用(Vetoryl)30mg

末期症状5.神経症状

クッシング症候群の原因はいろいろあります。
以前、猫で解説しましたがこれは犬にも当てはまります。
猫の副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)について獣医師がわかりやすく解説

ちなみに副腎皮質機能亢進症=クッシング症候群
です。

で、脳の下垂体が原因でクッシング症候群を起こすことがあります。
脳の下垂体が大きくなることで起こるのですが、
これにより、他の脳の部分を圧迫し、
神経症状が出てくることがあるんです。

目の神経が圧迫されたら視覚障害が出ますし
他の部位が圧迫されたら、旋回運動であったり、
鬱状態になったりすることもあります。

犬クッシング症候群の治療薬

以上のような末期症状が起こらないように
動物病院ではお薬を使って治療をしていきます。

もしクッシング症候群の原因が腫瘍なら
腫瘍を除去する手術になる場合もあります。

でも、手術が不可能なケースもありますし
腫瘍が原因でないクッシング症候群もあり、
この場合には飲み薬を使って治療をしていきます。

クッシング症候群で使う治療薬は
トリロスタンという薬で、
これは副腎皮質でステロイドホルモンを
作ることを邪魔する薬です。
トリロスタン犬用(Vetoryl)30mg

詳しくはかかりつけの動物病院に聞いてみてくださいね。

こちらで犬のクッシング症候群についていろいろ解説しています。
犬のクッシング症候群の治療費と治療方法【獣医師解説】
犬がクッシング症候群か診断する方法【獣医師監修】
犬のクッシング症候群が起こる原因【獣医師監修】
犬のクッシング症候群の症状【獣医師監修】

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