【獣医師監修】猫風邪に抗生物質は効果がある?

捕まえた野良猫

猫も人間と同じように風邪をひきます。
猫ちゃんが風邪をひくと「クシュンクシュン」とくしゃみをしたり
「ゲホゲホ」と咳をしたりといった症状がでます。

こちらの動画をご覧ください。
風邪をひいている猫ちゃんがうつっています。

猫ちゃんの風邪の原因は

・猫ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)
・猫カリシウイルス感染症
・猫クラミジア

の3つが有名です。

上記の猫風邪の原因のうち

・猫ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)
・猫カリシウイルス感染症

はウイルスです。

残りのクラミジアはばい菌です。

動物病院で猫ちゃんが風邪をひいていると診断した場合にはお薬で治療します。

たとえば猫カリシウイルス感染症の場合には
こちらの記事で解説しているような注射で治療します。
猫カリシウイルス感染症の治療法

ところで猫ちゃんの風邪の治療に抗生物質を使うことがあります。

この記事では猫風邪に使う抗生物質について解説します。

猫風邪に抗生物質を使う理由

バイトリル

上記画像は動物病院でよく使う猫ちゃんの抗生物質です。

まずそもそもですが抗生物質は『ばい菌』をやっつけるお薬です。
ばい菌を』がポイントです。ウイルスを抗生物質でやっつけることはできません。

ウイルスは最近よく言われているDNAとかRNAそのものです。
ばい菌(細菌)はDNAやRNAを含んだ細胞でできています。

つまりウイルスは細胞ではありません。
誤解を恐れずに言えばウイルスは生きていません。
これに対してばい菌(細菌)は生きています。

病原体

抗生物質と生きるのを抑える(抗)お薬ですから
ウイルスみたいに生きていない病原体には効果がありません。

したがって猫風邪の原因である猫カリシウイルス感染症や猫ヘルペスウイルスに
抗生物質は効きません。

猫風邪の中でも抗生物質が有効なのは猫クラミジアだけです。

「じゃ、どうして猫カリシウイルスみたいなウイルス感染で
抗生物質を使うの?」と怒りに満ちた感情を覚えた方もいるでしょう。

猫カリシウイルスとか猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス)みたいな
ウイルスに猫ちゃんが感染すると、必死でウイルスを追い払おうと体ががんばります。

猫ちゃんにとってのすべての武器(免疫力)を総動員して
ウイルスをやっつけようとするのです。

戦国時代をイメージしてください。

免疫力

たとえばある殿様はお城を2つ持っていたとします。
お城はそれぞれA城、B城だったとしますね。
それから自分の兵隊の人数は1万人いたとしましょう。

A城に1万人の敵が襲いかかってきたとします。
そうしたらおそらく、自分の兵隊1万人すべてA城に戻して敵と戦おうとするはずです。

そうしないとお城が乗っ取られてしまいますから。

するとB城は自分の兵隊がいなくなり手薄になるわけですね。
そんなときに別の敵がB城を攻めたらどうなるでしょう?

速効でやられてしまいますね。

このたとえはA城を攻めた敵がウイルスでB城を攻めた敵をばい菌(細菌)と考えてください。

猫カリシウイルスに感染してしまうと猫ちゃんの免疫力を
ウイルスをやっつけることに使うようになります。

だから簡単にばい菌に感染してしまうのです。

これは人間の風邪と同じです。

人間の風邪も最初は透明の鼻水が出ます。
でも治りかけてくると青緑色の鼻水に変わりますね。

ややこしいことは省きますが、
ウイルスに感染した時に出る鼻水は透明でばい菌に感染した時の鼻水は青緑色です。

これは人間も猫も同じです。

抗生物質

つまりウイルスに感染するとウイルスをやっつけることだけに
自分の免疫力を使うためにばい菌に感染しやすくなるからです。

そこで動物病院ではいくら猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスの
感染だとわかっても抗生物質を処方するわけです。

抗生物質はばい菌に効果のあるお薬ですからね。

このことを専門用語で二次感染の防止といいます。
一次感染はウイルス、二次感染はばい菌です。

最後にまとめますと猫ちゃんの風邪に抗生物質は有効だということです。
ばい菌が原因の風邪にも抗生物質は効きますし
ウイルスが原因であっても二次感染の防止の意味で抗生物質を使用します。

こちらも参考に!⇒猫が風邪をひくとどんな症状がでるの?

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